現在、国・大学・企業などが精力的に超小型衛星の開発を進めています。これらの超小型衛星をロケットで打ち上げるための事前性能評価試験として、振動試験、熱真空試験、熱衝撃試験など様々な環境試験の実施が要求されていますが、これらの環境試験を手軽に実施できる研究機関がないために、宇宙開発への新規参入を妨げる大きな要因となっていました。
そこで九州工業大学では2010年7月7日に超小型衛星試験センター(Center for Nanosatellite Testing ,Kyushu Institute of Technology)を戸畑キャンパス内に開設しました。
振動試験装置
大型真空チャンバー
センターは一辺が50センチ以下の超小型衛星の宇宙環境試験に特化した世界初の衛星試験施設となっており、地上とは全く異なる環境である宇宙空間で動く事を検証するために、様々な環境試験(振動、電波、熱真空、熱サイクル、熱衝撃、アウトガス測定、熱光学測定)を一元的に実施できる設備を導入・整備してきました。
センターは、国内・海外で超小型衛星を開発している人達に広く利用してもらうことを想定しており、とくに超小型衛星や宇宙機器の開発を行なっている大学・企業に対して 「作ってすぐに試せる場」を提供することで、地域の宇宙産業振興に貢献することを企図しています。また、超小型衛星の環境試験を繰り返す中で、低コストと高い信頼度のバランスをとった衛星システムの検証手法や衛星試験技術について研究開発を行い、最終的には 超小型衛星試験に関する国際標準の発信地 となることを目指しています。
センターは、北九州市・福岡県・九州経済連合会の支援の元、地域企業と連携した産学官連携事業として進められてきました。また、東京大学の中須賀真一教授が最先端研究開発支援プログラムによって助成を受ける超小型衛星開発プロジェクトの一環としても位置づけられています。2016年度からは文部科学書の宇宙科学研究拠点形成プログラムを通して国内外の大学の共同利用研究制度を導入し、外部利用をしやすい環境を整えてきました。また、衛星の環境試験を理解してもらうために超小型衛星環境試験研修(チュートリアル)の実施も行っています。
尚、試験センターは九州工業大学宇宙環境技術ラボラトリーの一部門です。
当センターでは50cm四方、50kgまでの超小型衛星及び搭載機器に対して、環境試験(振動、衝撃、電波、熱真空、熱サイクル、熱衝撃、アウトガス測定、熱光学測定)の実施を行ないます。
試験センターは、国内外で超小型衛星を開発している人達に広く利用してもらうことを想定しており、特に超小型衛星や宇宙機器の開発を行なっている企業に対して「作ってすぐに試せる場」を提供することで、地域の宇宙産業振興に貢献することを企図しています。また、超小型衛星の環境試験を繰り返す中で、低コストと高信頼度のバランスのとれた衛星システムの検証手法や試験技術について研究開発を行い、最終的には超小型衛星試験の国際標準を発信していくことを目指しています。
超小型衛星試験センター及び各設備のご相談・お問い合わせ等はアクセス及びお問い合わせ先よりお願いします。
九州工業大学では、これまでに宇宙環境技術ラボラトリーにおいて、国内外の宇宙機関・企業からの委託に応じて中・大型衛星向けの衛星帯電放電試験や超高速衝突試験を実施してきました。超小型衛星試験センターは、このような過去の衛星試験の実績を基礎としつつ、設備を拡充させて50㎝・50㎏級の衛星に必要な放射線を除く全ての試験を外部利用できるように導入・整備を進めてきました。現在では国内・海外を問わず、大学や企業が開発を行っている10㎝四方のCubeSatから50㎝・50㎏クラスの衛星の環境試験や衛星搭載用コンポーネントの試験まで様々な環境試験を実施しています。
現在はその試験実績をもとに低コストと高信頼度のバランスの取れた衛星システムの検証手法や試験技術について研究開発を行い、最終的には超小型衛星試験の国際標準を発信していくことを目指しています。
超小型衛星試験センターで作製、試験を行った「鳳龍四号」